こんにちは、バンコクにプチ移住中のプル子です✨
今日から4月ですね!
でも、その直前の3月末、とても忘れられない出来事がありました。
それは、2025年3月28日13時20分頃に発生したミャンマー中部を震源とするマグニチュード7.7の大地震です。
震源地から約1000キロも離れているバンコクでも、かなりの揺れを感じました。
私自身もこの地震を実際に体験し、かなり驚きました💦
ニュースでも繰り返し報道されている34階建てのビルが倒壊する被害や、報道されていないものの、傾いてしまったビルや他にも倒壊の話もあります。
今回の経験をもとに、当時の状況と、これからバンコクへ引越や移住を考えている方にも役立つ情報をまとめましたので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
なぜバンコクでこれほど揺れたのか?
報道の通り、主な原因は、「長周期地震動」によるもの。
長周期地震動とは、長い周期の揺れが続く地震動で、高層ビルほど大きな影響を受ける特徴があります。
今回の地震は霊源が淺く、大規模だったため、この長周期地震動が発生し、バンコクの高層ビルなどに大きな揺れをもたらしました。
地震発生時の私の体験
地震が発生したのは、ミャンマーのマンダレー付近で午後1時20分頃でした。
その時、私はバンコクの30階建てのアパートの10Fにある部屋で一人で過ごしていました。
いま思うとこの時間帯に感じた、今まで聞いたことのない音がしたので、玄関のドアを開けて外を確認していたんです。
しかし、誰もいません・・・。
「一体何の音だろう?」と不思議に思いながら、再びソファに戻りました。
すると今度は、ベランダの方から音が聞こえ、カーテンレールに取り付けられたカーテンの開閉用の金属製のポールが、ひとりでにカーンカーンとぶつかり始めたのです。
なんとなく変な気配を感じて立ち上がった瞬間、突然、天井がぐるりと回ったような感覚に襲われました。
「また目眩が始まったのか」と、数日前まで悩まされていた目眩の再発を疑いました。
しかし、それは目眩ではなく、なんとバンコクで起きた地震の揺れだったのです!
ミャンマーで発生した地震の揺れが、遠く離れたバンコクに到達したのは、午後1時30分頃のことでした。
今この瞬間を振り返ると、まるで夢の中にいたか、ホラー映画の主人公になったかのような、現実離れした体験で、揺れの体感としては3.11に東京で経験したものと同じくらいの感覚でした。
地震発生時の避難行動
3.11のことや、これまでの長年の会社員生活での避難訓練が身についていたのか、まず真っ先に思ったことは階段で降りて、ここを脱出せねばと行動しました。
- 初期行動:
- 3.11の経験や避難訓練の記憶から、まず「階段で降りて脱出しなければ」と判断。
- 激しい横揺れの中、「パスポートや財布、クレジットカード」などの貴重品を気にするも、最終的にはユニクロのUVジャケットとスマホだけを持って避難を開始。日焼けしたくないと直感で感じたんですね💦
- 玄関のドアを閉めるか開け放つか迷ったが、タイの治安を考慮して閉めて外へ。
- 避難経路:
- 非常階段を必死に駆け下りる。
- 何となく気になった、途中の階のプールを覗いたら、プールの水があふれ出ている光景を目にし、危険を再認識。
- 古いアパートゆえの倒壊を覚悟しながら、なんとか地上階へ到着。本当に長い時間に感じた。
- 避難時の装備:
- 部屋を出る際になんとなく、つま先を保護する「KEEN」の靴を履たほうが良いと感じ、結果的に安全確保に役立った。
地震発生後、地上階での光景と人々の温かい支援
激しい揺れの中、私は必死に階段を駆け下り、なんとか地上階へとたどり着きました。
そこには、アパートのフロント責任者の方が心配そうに待っていてくださり、その姿に安堵の気持ちが込み上げました。
しかし、安心したのもつかの間、地震の恐怖で腰を抜かしてしまったメイドさんたちが次々と降りてくる光景を目にしました。
彼女たちはタイやラオスから働きに来ている方々で、初めての地震体験にひどく怯え、泣いている方もいました。
アパートには駐在の奥様方も多く住んでおり、地震発生時はお子さんの迎えを心配し、普段とは異なる交通手段の確保に戸惑っていました。
一方、私はというと、突然の出来事に頭が真っ白になり、スマホで情報を検索する余裕もありませんでした。
ただただ、日本にいるこの時間帯に電話に出てくれそうな兄や友人に電話をかけ、涙ながらに状況を伝えるのが精一杯でした。
そんな私を見かねて、アパートのあるマネージャー女性がそっと寄り添い、手を握って励ましてくれました。
その優しさに胸が熱くなりました。
さらに、女性マネージャーの他にもタイの方々は次々と「ヤードム」というタイのアロマを差し出し、「これを嗅ぐと落ち着くよ」と勧めてくれました。
冷たい水や椅子も用意してくれ、不安でいっぱいの私を気遣ってくれたのです。
タイの方々も地震で不安なはずなのに、これほどまでに親切にしてくれることに、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
そして、タイの人々の「ヤードム愛」への信頼と愛情を目の当たりにし、私も常に持ち歩こうと心に誓いました!

私は落ち着きを取り戻したら、近所の通りに出てみましたが、こんな時だからこそ屋台が繁盛していました!
その風景を見てなんとなくホッとしたのを覚えています。
馴染みのバナナフライのおじさんがいるのですが、お水を一本届けてあげたら喜んでくれました。
タイ語で「クルアイトート」といいますが、フリッターのような揚げバナナのお菓子の一種で、軽食として親しまれています。
また、繁盛しているココナッツアイス屋さんも来ていたので便乗して買い、その甘さにほっこりしました。
自宅の部屋に戻れたのは何時だったのか|ダメージの様子
部屋に戻った時間:
- アパートの安全確認に時間がかかり、部屋に戻れたのは地震発生から約3時間後でした。安全確認はいつもここに勤務している、アパートの管理会社の従業員の方が行っていました。
部屋の状況:
- 部屋の中は、物が落ちているなどの大きな被害は見られませんでした。
- しかし、壁に数か所の亀裂(クラック)を発見し、地震の揺れの大きさを改めて実感しました。この亀裂を見て、タイの建築物の安全性に不安を感じました。
アパートの外壁については、亀裂が入るや、低層階の共有部分の一部の水道管が亀裂が入り、水が漏れている箇所がありました。
地震発生後の近所の様子
商業施設・オフィスビル・住居での混乱:
- 強い横揺れが発生し、多くの人々が商業施設やビルからの避難を余儀なくされました。日陰が少ない場合は辛そうでした。
- 友人の体験談として、自宅のマンションの部屋で避難中に壁に亀裂が入る瞬間を目撃。また、ロビーの天井の一部が取れ、その恐怖で日系のホテルに移動した方もいます。高層マンションが怖くて低層のホテルに移動する方など、建物の損壊による精神的な影響や金銭面での負担が大きかったことが伺えます。
交通機関の混乱:
- BTS(高架鉄道)やMRT(地下鉄)が運行を停止し、交通網が麻痺しました。
- 道路は深刻な渋滞が発生し、多くの市民が徒歩での帰宅を選択しました。そのためバスもなかなか乗れずにそれを待つ人々が道路に多くいました。
- バイクタクシーの中には、普段とは異なる高額な料金を請求するケースも見られ、混乱に乗じた便乗値上げも発生しました。
これらの情報から、地震発生時のバンコクでは、建物、交通機関、そして人々の心理状態に至るまで、広範囲にわたる深刻な影響があったことがわかります。

夫はたまたまアソーク近くの展示場(QSNCC)にいましたが、建物が低層でしっかりしているためか、あまり揺れを感じなかったそうです。
そこから歩いて自宅まで帰る途中、「ソラリア西鉄ホテルバンコク」でペットボトルの水を配っていたのでそれをもらい、涼しいロビーでひと休みできたそうです。
また、スクンビット通りでも水を配る店舗などがあったそうです。
これは、3.11のときに都心から自宅へ歩いて帰った際には見られなかった光景ですよね。
暑い国ならではということもありますが、タイの方々の温かさを改めて感じる出来事だと思います。
コンビニやスーパーの様子
地震発生後、一時的に閉店した店舗もあったようですが、数時間後には営業を再開していました。
商品の品薄や買い占めといった混乱は見られず、比較的落ち着いた状況でした。
タイの人々は比較的落ち着いて行動していたことが伺えます。
日本では、地震発生後に食料品や日用品の買い占めが起こることがありますが、バンコクではそのような行動は見られませんでした。
過去に経験がないのと、タイ人の気質も関係しているような気もしましたがどうでしょうか。
少し在庫が少ないコーナーもすぐに補充がされていました。

エムクオーティエなどの大型商業施設は、安全確認のため早めに閉店していたようです。
外から見ると静かで、日本の3.11の後の東京に似た雰囲気でした。

現在のバンコクの様子
4月1日現在、電車も商業施設も通常運転しています。
電車は地下鉄も含め、地震の翌日の朝から動きました。
ちなみにこの地震翌日の朝の時間帯の電車(BTS)は、驚くほど空いていたと家族が言っていました。
(4月2日現在)
地震から既に数日経過しますが、ショッピングセンターなどはいつもより格段に人が少ないと感じます。
これからバンコクの住居を検討される方へのアドバイス
バンコクはこれまで大きな地震のリスクが低いと考えられてきましたが、今回の地震でその認識が変わる可能性があります。
- 耐震性の高い住居の選択:
- 高層ビルに住む場合、耐震基準を満たしているか確認し、可能であれば耐震補強が施された建物を選ぶことが重要です。2007年以降に建築された高層ビルは震度5まで対応した基準で建築されていると政府は報道しています。
- でも私なら、高層ビルや、ビルが渡り廊下で繋がっているような構造の建物には住まないと思います。渡り廊下が大きく破損している物件をみます。やはり低層のマンションがベストだと感じます。そして現在、低層マンションの争奪戦とも聞きます。
- 近隣に倒壊の恐れのある物件を選ばない事:
- その物件が耐震に問題のない物件であっても、近隣の建物で傾きのある物件は倒壊の恐れがあるので近くには住まない事。実際に引っ越しを余儀なくされる知人がいました。
- 防災意識の向上:
- 地震発生時の行動マニュアルを事前に確認し、非常時の避難経路や集合場所を把握しておくこと。
- 水や食料、懐中電灯、救急セットなどの非常用品を常備したり、リュックに入れ、災害時に備えることが大切。
- 情報収集:
- 既に建物の安全確認が終了していることが見れる、Building Inspection Dashboardという便利なサイトがあります。建物が大手だったり、オーナーの確認が早い場合は、そのスピードも速いようで、既に安全確認が終了し、アップデートされています。
- 住まい探しの際は今回の地震の被害が詳しい不動産屋を使うこと。物件と直の契約の場合は情報を誠実に開示してくれるところ。
- 在タイ日本大使館などの情報を活用することも有効です。
- これまで利用していませんでしたが、Xでの情報は非常に有益だったので、これを機にインストールしました。インスタグラムでは私がファンのサイト『marikochanbkk』で関連の発信を沢山行っていて参考になります。
- 現地の日本人会などのコミュニティに積極的に参加し、情報交換や助け合いを行うことも有効です。
- 同じ住居の方との挨拶やアパートのスタッフの方とのコミュニケーションも大事。
我がアパートの安全確認はいかに?
現在、住人に対し、まだ安全確認の回答がきておらず、専門業者の訪問待ちとのことです。
かなりの待ちがあるような状況のようです。
一番の問題は外壁の亀裂(クラック)や共用部の様子で判断されるのだと思います。
部屋の内部のクラックは何とかなるのですが、外壁の場合、そこから雨水などが長年入った場合は倒壊の恐れもあるそうで、そのクラックの幅が何センチあるかなどの、ダメージ具合を見るのだと思います。
まとめ
今回の地震を受けて、「バンコクでも地震のリスクがある」 ということが改めて認識されました。
いま思えば本当に良かったのが、断水と停電がなかったことが助かりました。
ニュースでも、「あと1か月は余震に注意が必要」 と報道されています。
ですが、あれ以降、何度か余震はあるようですが、私は体感するようなものはありません。
私も普段あまり意識していなかったので、改めて気を引き締めないと…と感じています。
この地震をきっかけに、タイの人々の防災意識も高まっている ようです。
高層ビルにオフィスを構えている企業は、恐怖を感じている社員に在宅勤務を認めているところもあるようです。
バンコクはとても魅力的な都市ですが、やはり自然災害への備えは忘れてはいけませんね。
これまで 「タイに地震はない!」 と自信を持っていた人も多かったようですが、今回の地震を経験して、「今のうちにやりたいことをやろう!」 と考える人が増えているそうです。
おおらかで温和なタイの人々がそう思うほど、今回の出来事は強く印象に残ったのでしょうね。
とはいえ、タイの「マイペンライ(大丈夫、気にしない)」 でも、すべてがそれで済むわけではありません。
住居を選択する上などで本当に大事なことは、自分の責任でしっかり確認する ことが大切だと改めて実感しました。
バンコクの方も過去こんな地震のない国で、誰も経験したことがない中で決めた基準なので、どこまで正確かはわからないと思います。
私もこれからの自分の住居についてどのようになっていくのかを注意深く観察し、必要であれば行動を起こしていかなくてはいけないと感じています。
これからもアップデートしていきたいと思います。

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